Glossaries

生命科学における表現型とそのデータの統合に向け、私たちが利用している技術や概念について紹介します。

  • フェノーム(Phenome)
    生命科学では、”-ome”とは、生物が持つ全てのセットを指します。ゲノム(genome)は遺伝情報の総体、トランスクリプトーム(transcriptiome)は転写産物の総体です。フェノーム(Phenome)は、生物の遺伝的多様性、環境変化によって生じる、表現型(生物の特性)の総体を指します。生物の各表現型は、疾患の相互依存性、種を超えた進化的相同性、環境を通じた生態系など、お互いに様々な関係性を持っています。フェノームを分子の言葉で理解することは、生命システム全体の理解とも言えるでしょう。
  • セマンティックウェブ(Semantic Web)
    WWWコンソーシアム(W3C)が提唱する、ウェブの拡張構想です。ウェブ上の全てのリソースにIDをつけ、相互リンクさせ、かつ、相互リンクによる知識表現を組み合わせることで、データの再利用をしやすくすることを目指しています。
  • Resource Description Framework (RDF)
    ウェブ上のデータ(リソース)を記述するためのデータフォーマットです。グローバルなID(Unique Resource Identifier: URI)、主語-述語-目的語形式の三つ組(トリプル)型のデータ間のリンクを基盤として、各リソースが何であるか、どのようなデータとつながるかを記述できます。
  • メタデータ(metadata)
    データを記述するためのデータを指します。例えば、あるデータベースのデータはどんな生物のどんな表現型についてのことなのかを記述します。最近では、RDFを使って、「どんな生物」「どんな表現型」をはじめ、様々なメタ情報を国際的に共有するデータ統合の動きが高まっています。
  • オントロジー(ontology)
    概念をデータ化し、データとデータの繋がりによって、その概念が何であるかを記述したデータ、あるいは、記述対象の概念が何であるか、どう記述するかを追求する学問(存在論)を指します。セマンティックウェブにおいて、オントロジーは、ウェブの各リソースが何であるかを示すための主要な知識体系として用いられます。
  • Web Ontology Language (OWL)
    現在、世界で広く用いられているオントロジーのデータフォーマットです。RDFに準拠しており、セマンティックウェブの一部として機能できます。